コラム
新築
2026/09/20
青森の新築、「大きな窓」が正解とは限らない。暮らしから考える窓の話

家のことは、分からないことが多いものです。
「リビングの窓は大きい方がいい?」
「窓を減らすと暗くならない?」
「青森なら窓は小さい方が暖かい?」
「道路から家の中が見えない?」
今工務所が、五所川原・青森・弘前・つがるで家づくりに携わってきた経験をもとに、できるだけ分かりやすく解説します。
今回のテーマは、「窓」です。
モデルハウスや住宅写真を見ると、大きな窓。明るいLDK。庭までつながる開放感。素敵ですよね。
でも実際の家づくりでは、「大きな窓をつければ、いい家になる」とは限りません。
窓は、光を入れるもの。景色を見るもの。風を取り込むもの。であると同時に、住宅性能。家具配置。プライバシー。雪。毎日の掃除。にも関係する場所です。
だから今回は、「どんな窓をつける?」ではなく、「その窓から何をしたい?」から考えてみます。
窓は「大きさ」より先に目的を決める
例えばLDK。「ここに大きな窓をつけましょう」となったとします。その前に、なぜ大きくしたいのでしょう。
部屋を明るくしたい?庭を見たい?外へ出たい?子どもが遊ぶ姿を見たい?開放感が欲しい?
目的によって窓の位置や形は変わります。庭へ出る必要がなければ、必ずしも床まである大きな掃き出し窓が必要とは限りません。
逆に、庭。ウッドデッキ。外遊び。をLDKとつなげたい家庭なら、大きな開口に意味が出てきます。
つまり、窓そのものではなく、その先の暮らしを見る。これが最初です。
青森では窓も「断熱」の一部です
青森で家を建てるなら、冬の暖かさは重要です。壁。天井。床。断熱材。そして、窓。
住宅では開口部も熱の出入りに関係するため、窓の性能や大きさ、配置は住宅全体の断熱計画と一緒に考える必要があります。
だから、「窓は大きければ大きいほどいい」でも、「断熱のために窓はできるだけ小さく」でもありません。
方角。日射。窓性能。建物全体の断熱性能。暖房計画。暮らし方。これらを合わせて設計します。
今工務所では、青森の気候を考えた断熱性能を家づくりの重要な要素として掲げています。窓だけを単独で決めるのではなく、家全体で考える。ここが大切です。
「南に大きな窓」だけでは決めない
南側に窓を設けて日射を取り込む。住宅設計では大切な考え方の一つです。
でも実際の土地には、隣の家。道路。駐車場。建物。があります。
南側に大きな窓をつくったら、道路からLDKが丸見え。結果、一日中カーテンを閉めている。これではせっかくの大きな窓を生かせません。
だから窓を決めるとき、方角だけでなく、窓の向こうに何があるかまで見ます。
空?山?庭?道路?隣家の窓?駐車場?
窓は外観図だけではなく、敷地全体で考えるものでもあります。
土地と建物を別々に考えると、窓の位置も決めにくくなります。道路、隣家、駐車場、雪の置き場まで含めて土地を見る考え方もあわせてご覧ください。

窓を決める前に「家具」を置いてみる
これは意外と重要です。例えば、リビングの壁。こちらに窓。こちらにも窓。明るくていい。
でも家具を入れようとすると、テレビはどこ?ソファは?収納家具は?ということがあります。
窓が増えるほど、家具を置ける壁が減る場合があります。
寝室も同じです。ベッド。窓。カーテン。コンセント。収納。全部つながっています。
だから私たちは、窓だけを決めるのではなく、家具を置いた状態で考えることをおすすめします。
間取り図に、ソファ。テレビ。ダイニングテーブル。ベッド。を書いてみる。すると、「この窓、本当にここ?」が見えてきます。
平屋では「外とのつながり」がつくりやすい
今工務所では、無垢材の平屋「木のひらや」を展開しています。
平屋ではすべての生活空間が地面に近いため、LDK。庭。テラス。玄関。をつなげて考えやすい特徴があります。
例えばリビングの窓から、庭で遊ぶ子どもを見る。犬を見る。家庭菜園を見る。季節を見る。
窓は、外を見るための額縁にもなります。
だから、「南側だからここに窓」だけでなく、「ここから何が見えたらうれしい?」という設計もできます。
雪国なら「窓の外」まで考える
青森なら、もう一つあります。雪です。
冬になれば窓の外に雪が積もることがあります。屋根から落ちる雪。除雪した雪。吹きだまり。
窓の位置によっては、夏とは全く違う景色になります。
だから、外観だけを見て窓を配置するのではなく、冬、その窓の前はどうなっている?まで想像します。
住宅周辺の雪処理や屋根形状、窓との位置関係などは、敷地条件や建物計画によって異なります。「この配置なら絶対大丈夫」と一律には言えません。
だからこそ、土地+建物+雪を一緒に設計する。青森の家づくりでは重要な視点です。
高い位置の窓は「掃除できる?」まで考える
吹き抜け。高窓。とてもきれいです。光も入ります。では、10年後、その窓をどう掃除しますか?
窓そのものだけではありません。カーテン。ブラインド。網戸。開閉。メンテナンス。
高い位置ほど、日常的な手入れ方法まで考えておきたいところです。
家は完成写真を撮る日のためだけにつくるものではありません。毎日使って、掃除して、何十年も暮らす場所です。
だから、「きれいに見える?」だけでなく、「自分たちで扱える?」まで考えます。
窓は多ければ明るい、とは限らない
「暗い家にしたくないから窓を増やしたい」という相談もあります。でも明るさは、窓の数だけでは決まりません。
窓の方角。高さ。周辺建物。庇。室内の仕上げ。部屋の奥行き。などでも変わります。
場合によっては、たくさん小さな窓を付けるより、必要な場所へ効果的に光を入れる方が使いやすいこともあります。
今工務所では、自社一級建築士による設計と熟練大工による自社施工を家づくりの特徴として掲げています。
窓はカタログから選んで終わりではありません。その窓を、家のどこへ、なぜ付けるか。そこまでが設計です。

夜も一度、想像してみる
昼間の間取りだけでなく、夜も想像してください。
夕方。外が暗くなる。室内の照明をつける。すると昼間とは逆に、外から室内が見えやすくなる場合があります。
道路沿い。隣家。玄関近く。LDK。浴室や洗面。それぞれ、「夜、外からどう見える?」を考える。
カーテンやブラインドで調整する方法もあります。でも設計段階なら、窓の高さ。位置。外構。植栽。なども含めて検討できます。
昼の窓と、夜の窓。両方を見ることが大切です。
モデルハウスで「窓際」に立ってみませんか?
モデルハウスへ行くと、LDKの中央に立ちたくなります。次回は、窓際にも立ってみてください。
外に何が見える?道路から自分は見える?ソファを置いたら?冬なら?カーテンを閉めたら?
窓の大きさだけでなく、窓と暮らしの距離が分かります。
このまちで、これからも暮らすために。
窓は、ただ光を入れる穴ではありません。
朝、カーテンを開ける。雪を見る。子どもが庭で遊ぶ。夕方になる。照明をつける。春になれば景色が変わる。
そんな毎日を何十年も切り取る場所です。
だから今工務所は、「大きい窓があります」という家ではなく、「この窓から何を見て、どう暮らす?」から考えたい。
五所川原。青森。弘前。つがる。青森の家には、冬があります。雪があります。そして土地ごとに違う景色があります。
窓を決めるとき、次はカタログを見る前に、一つだけ考えてみてください。
「この窓の向こうに、何が見えたらうれしい?」
そこから一緒に家を考えてみませんか。















