
家のことは、分からないことが多いものです。
「土地を買うのと、住宅ローンの金利が決まるのは、同時じゃないんですか?」
「金利が上がりそうだから、先に土地だけ押さえておいたほうがいいのかな」
「土地の決済と、家の引き渡しのあいだは、お金はどうなるの?」
「冬に土地を買ったら、春まで何も進まないって本当?」
今工務所が、五所川原・青森・弘前・つがるで家づくりに携わってきた経験をもとに、できるだけ分かりやすく解説します。
今回のテーマは、「土地を買ってから家が建つまで、金利はいつ決まるのか」です。

1.11月のフラット35は「引き下げ」予想、でも10年固定は「引き上げ」予想
2026年10月22日、ダイヤモンド不動産研究所が11月の住宅ローン金利の予想を出しています。
全期間固定の「フラット35」(買取型)は、10月が年3.640%。11月は年3.580%と、前月より0.06%の引き下げが予想されています。
フラット20は年3.070%の予想です。
ところが、同じ記事の10年固定は逆の向きでした。
すでに発表されている銀行では、楽天銀行が年4.137%(前月比+0.124%)、ソニー銀行が年3.653%(同+0.128%)。いずれも引き上げです。
変動金利も、楽天銀行が年1.797%(+0.050%)と引き上げが示されています。
(出典:ダイヤモンド不動産研究所「11月のフラット35金利は引き下げでも3.5%台か?!」2026年10月22日)
もう少し長い目で見ると、上がり方がはっきりします。
フラット35(融資率9割以下の最多金利)は2026年10月時点で年3.830%。2026年4月からの半年で1.34ポイント上がった、と報じられています。
(出典:BUSINESS INSIDER JAPAN「主要銀行の『住宅ローン』、2026年10月の金利はどうなった?」2026年10月2日)
つまり、月ごとに下がることはあっても、年単位では上がってきた、というのが今の状況です。
そして金利タイプごとに向きが違うので、「今が高い・安い」を一言で言えなくなっています。
2.青森県の土地は、35年連続で下落しています
青森県の側の数字も並べておきます。
2026年の基準地価(県が9月15日に公表、7月1日時点の価格)は、全用途平均で前年比0.4%の下落でした。
下落は1992年から35年連続です。
(出典:Web東奥「青森県内地価、35年連続下落 背景に人口減、建築費高騰」2026年9月16日)
ここに、今回の記事でいちばんお伝えしたい「ねじれ」があります。
土地の価格は、青森県では急いでいません。35年続いている動きが、来年いきなり反転するとは考えにくいです。
一方で金利は、半年で1.34ポイント動きました。
待つことで得をする可能性があるのは土地の側で、待つことで損をする可能性があるのは金利の側です。
「土地を急いで押さえる」よりも、「借り方と引き渡し時期を先に決める」ほうが、効く年だと考えています。
3.五所川原・津軽では「金利が決まるのは、ずっと先」になりやすい
ここからが本題です。
意外に知られていないのですが、フラット35の金利は、申し込んだ月の金利ではありません。
資金を受け取る月(=多くの場合、家の引き渡しの月)の金利が適用されます。
これが、雪国ではかなり大きな意味を持ちます。
津軽で11月や12月に土地の契約をすると、地盤調査や基礎工事を雪の前に終えられないことが多いです。
結果として、着工は春、引き渡しは秋、ということが実際に起こります。
つまり、11月に「今の金利は3.580%くらいか」と思って動き始めても、実際に適用されるのは翌年の秋の金利です。
10か月先の金利は、誰にも分かりません。
もうひとつ、津軽で見落とされやすいのが「土地の決済から引き渡しまでの期間」です。
更地で、上下水道も引き込まれている土地なら、契約から決済までは1〜2か月で進むことが多いです。
ところが当社で扱っている物件でも、古家付きの土地、畑が付いている土地、残置物がある土地は、そうはいきません。
解体や処分の段取りが入り、畑の部分は農業委員会への確認や許可が必要になります。そのぶん期間が延びます。
その間、土地の代金はもう払っています。けれど家はまだ建っていません。
この期間を埋めるのが「つなぎ融資」や「土地先行融資」です。
ここで、実際にあった失敗の話をひとつ。
「金利が上がる前に」と土地の契約を先に進めた方がいました。
土地の決済は冬。けれど着工は春になり、引き渡しは秋。結果として、つなぎ融資の利息を10か月近く払うことになりました。
土地の値段を数十万円値引きしてもらった分が、その利息でほぼ消えてしまった、という形です。
土地の価格交渉より、引き渡しまでの月数のほうが、総額に効くことがあります。
※つなぎ融資の利息は、借入額・期間・金融機関によって大きく変わります。参考として、月数で考える習慣をつけていただくのが目的です。
五所川原・つがる・弘前で土地から建てる場合、私たちは次の順番でご案内しています。
【保存版】土地から建てるときの段取り(金利編)
①先に「いつ引き渡しを受けたいか」を決める(入学・転勤・更新のタイミングから逆算します)
②その引き渡し月から、着工・地盤調査・土地決済を逆算する(津軽では冬を1シーズン分、空白として数えます)
③土地の決済から引き渡しまで何か月あるかを数える
④その月数で、つなぎ融資の利息がいくらになるかを金融機関に聞く
⑤そのうえで、固定・10年固定・変動のどれで組むかを決める
⑥土地の価格交渉は、最後でいい
この順番で考えると、「金利が上がるから急ぐ」ではなく、「いつ引き渡しなら無理がないか」で判断できるようになります。
4.今工務所としての提案:土地・中古・分譲地で、かかる月数が違います
金利の決まり方を押さえたうえで、選び方の話をします。
いま当社で扱っている物件を例に、引き渡しまでの月数の違いを整理します。
①分譲地を選ぶ(いちばん月数が読める)
上下水道・道路・区画が整っているので、決済から着工までが短くて済みます。
雪置き場や隣家との距離も最初から計算されています。
金利が動く局面では、「月数が読める」こと自体が有利に働きます。
②中古住宅を買って、断熱からやり直す(土地代と建物代が同時)
土地と建物をまとめて手に入れるので、つなぎ融資の期間を短くできる場合があります。
ただし青森では、築30年前後の家は断熱と窓が今の基準に届いていません。
「安く買えた」と思っても、冬の灯油代で差が埋まることがあります。
当社では構造から見直す「リセット住宅」という形でご提案しています。
月曜にご紹介した物件も、この考え方で見ていただける1件です。
→ 【中古住宅】鰺ヶ沢町舞戸町 5DK・土地55坪 50万円(空き家・大幅な補修が必要)
この物件は50万円ですが、そのまま住める状態ではありません。補修の費用を含めて総額で見る必要があります。
※必要な工事は、構造・基礎・屋根・断熱の状態で大きく変わります。現地を見てからのご説明になります。
③土地を買って新築する(いちばん自由、いちばん月数が長い)
間取りも性能も自由に決められます。平屋にするなら、間口の広い土地が必要です。
そのぶん、土地決済から引き渡しまでの月数は長くなります。だからこそ、②の逆算が大事になります。

金利と総額の考え方は、こちらの記事でも整理しています。
→ 2026年10月のフラット35は3.830%|五所川原で新築と中古改修の総額を比べる
→ 注文住宅の頭金・諸費用・手元資金|無理のない資金計画の確認項目

このまちで、これからも暮らすために。
金利の話は、どうしても数字の話になります。
けれど私たちが現場で見ているのは、春の雪解けを待って基礎を打つ日や、秋に引き渡しを済ませて初めての冬を迎えるご家族の顔です。
35年連続で地価が下がっている地域で、それでも家を建てる人がいる。
その判断を軽く扱わないために、月数と利息の話を先にお伝えしています。
創業から65年、私たちはこの地域で家を建て、直し、見に行き続けてきました。
雪が多く、冬が長い土地です。だからこそ、段取りの順番が暮らしの質をそのまま決めます。
五所川原。青森。弘前。つがる。
そこから一緒に考えてみませんか。
今工務所は五所川原市を拠点に、五所川原・青森・弘前・つがるを施工対応エリアとして、土地探しから設計・施工・リフォーム・アフターまで一貫して対応しています。


